やさいの販売方法
自分が売っている商品を知る
大川市で地域おこし協力隊をしていたころ自分で生産した野菜を
マルシェや催事で売っていました。最初は自分がつくった野菜なんて
取るに足らないものだと思っていましたが、理由はわからないけれど
結構売れました。もちろん地域おこし協力隊が作った野菜だったので
地元の方々も応援するつもりで買ってくれていたと思います。
でもいつの間にかごく少数だけれどリピーターがついてくれました。
その理由を分析するためボクはいろいろな方々が生産する野菜を
道の駅やスーパーの直売売場で買って味を比べてみました。
もちろん自分で作った野菜と購入して食べる野菜を単純に比較する
のはあまり意味がない気もしました。なぜなら自分が作った野菜は
鮮度という点で畑からキッチン直行なのでうまくて当たり前かと
いう気もしましたが、食べ比べの目的は、なんでうまいのか、
ということだったのでそれ以上考えず比較しました。
時には有名な道の駅で購入し比較することもありました。
いろいろ食べ比べてわかったことは「味はうまかった」ということ。
正確には味が濃かったということでした。
このことは野菜を販売していくうえで自信になりました。

販売戦術
販売するにあたりいろいろな戦術、販売促進につながることをやってみました。
POPを作ったり、畑の写真をタブレットでお客さんが見られるようにしたり
値札のデザインを考えたり、ディスプレイの方法を考えたり。
自分の趣味もありましたがブルータスや料理通信の野菜特集記事が
載っている雑誌を置いてみたりと、ほんとにいろいろやりました。
いろいろ考え実践してみましたが、いろどりがきれいなことと
「うまい」、ということを最大限に活かす方法がいいかということで
「試食」を前面に押し出すようにしました。
人は食材でなく料理
(食べ方)を求めている
試食作戦は功を奏し、売れるときはかなり販売することができました。
あとマルシェなどでモノを売るときに大事なことは「人だかりをつくる」こと
なので「試食」は人だかりを作るのに最適な手法だったとわかりました。
この作戦は最初はよかったけれどこれだけでやさいが売れるほど世の中は
甘くはなかったです。最初に生産したやさいは「葉物野菜」が中心だったので
試食作戦はツボにはまりました。理由は葉物野菜はサラダのようなシンプルな
食べ方で食べられることが多く、お客さんが食べ方を考える「手間」が
ほとんどなかったからです。
そのうち根菜や果菜など料理法が難しそうなものは必ずといっていいほど
「どう食べたらいいの?」、と聞かれることがわかりました。
人々は「食材」を求めているのではなく美味しく食べることができる「料理」
を求めているのだ、と。


このことは一見当たり前のことに思えるが食材を作っている生産者、特に
農業をやるものは実はなかなか気付けないことだ。他の方々はわからないが
少なくとも自分はなかなか気が付けなかった。
発見!!
あるときマルシェで接客しているときにいい経験をさせて
いただきました。
その経験は自分の体験をもとに食べ方の提案をしたことです。
「ニンジンの葉っぱの活用法」

葉付きニンジンを売っているときニンジンの葉っぱの食べ方を
尋ねられました。ボクはその時「乾燥させてパセリの代わりに使う」
とお伝えしました。エビフライなんかタルタルソースをかけたくなる
食材にこのパセリを使ってタルタルソースを作る、と。
ほんとのタルタルソースは「タラゴン」を使ったほうが
いいけれどなかなかタラゴンは売っていません。あともちろん
タルタルソースは市販のものもあります。
ただ自分で作ったタルタルソースもなかなかいいものだと思います。
ニンジンの葉っぱはお好みで好きなだけ投入できますし!
結論
お客さんの心理変化を分析
野菜を販売して気が付いたことは、「自分がおいしい」と思った食べ方を
お客さんに提案し、お客さんのあたまのなかで今まで体験した
モノをベースに私が提案した食べ方(パーツ)を組み合わせ頭の中で
想像し、その想像物がお客さんの「食べたい欲求」をそそると、
リアルに食べたい(体験したい)と行動に移してくれるのでは、と
思います。