まずは農業をやりだしたきっかけなど・・・
わたしが最初に農業をならったのはマイファームという農業系ベンチャー企業が主催するアグリイノベーション大学という週末農業学校だった。マイファームは「自産自称」を勧めていることもあり、栽培方法は基本有機農法を教えている。所謂商品作物ではない、あくまで自分自身で作って食べよう、ということなので最悪収穫前日に害虫でやられても自分が食べられない、というだけでそのことに対して供給先のスーパーなどからクレームが来ることはない。だからおいしくからだにいいもの、ということにこだわり栽培をおこなっている、というわけだ。
野菜の栽培で大事なことは
栽培の基本は土づくり。たい肥など有機物を畑に施し、発酵という気の長くなる作業を自然(微生物)の力を借りて土を作っていくというスタイル。もちろん肥料も化学肥料を用いず、鶏糞、骨粉、油粕・・・といった感じだ。農薬は基本使用せず、仮にアブラムシなどが発生しても木酢酸や有機Jasで使用が認められているでんぷん由来の糊のような農薬を必要最小限で使用、ということである。
有機農法で一般的に言われている有機肥料、農薬不使用という間違った解釈(※間違った解釈と書いたがこれはあくまでわたくし自身が間違って解釈をしていたということでこのブログを読んでいる読者の方の解釈、ということではないのです。)とは、植物が自身のからだ(細胞)に取り込むものは自然のものがよい、農薬は体に悪いということ。たしかにこれは部分的はあっていると思う。ただしもっと細かく分解したうえで「いい」、「わるい」を判断すべきかと思う。まず有機肥料と化学肥料の違いを論じる。化学肥料は植物に必要な栄養素を元素レベルと抽出したものであまり不純物が含まれていないもものであり、逆に有機肥料は自然界のものを発酵、という原始的な方法により加工したものだ。ここで特筆すべきなのは自然界のものを発酵させているだけなので化学肥料に比べ不純物が混じっている点である。植物の栄養素は多量要素、微量要素合わせ17つあるといわれている。(※コメの場合は17にケイ素という元素を加え18といわれている)化学肥料はこのうち多量要素と言われる窒素、リン酸、カリがのことである。この3つの成分を栽培する作物が必要とする割合を配合し、~栽培用の肥料という形で販売されている。微量要素(主にミネラルなど)はふつうは化学肥料には含められていない。別途マグネシウム(苦土)、カルシュウムなんかで売られているがほんとの微量要素、鉄、マンガン、銅・・・はほとんど販売されていないと思う。(もちろん農業肥料用外としては販売されているのでそれを用いることはできなくもない)。有機肥料がいいのはこれら微量要素が含まれている点である。
農薬は体に悪い?
農薬はすべて体に悪いのか?農薬はからだに悪い、という話は頭にすんなり入ってきそうな言葉である。現在農薬として本当に悪いものは登録されている農薬の約15%程度。そのうち劇薬指定がされているのは1%ぐらいらしい。残り85%はそれほど体に異常をきたすレベルの代物ではない、という話である。よって現代の農業では農薬の使用は作物毎に使用法が制限され出荷の前日などはあまり使用できないことになっている。小さい子供や赤ちゃんははおいといて大人は気にするレベルの話ではない、と私は思う。
有機農法がいいとおもう自分なりの解釈
有機農法がよい点私自身は盲目的に「有機農作物」がいい、という考えは全くない。むしろ少し引くぐらいのスタンスだ。では有機農法で育った野菜体によくないのか?と聞かれたら答えは「ノー」だ。有機農法で育てられた野菜はうまいし体にいい、と思う。ただし有機農法で体にいい野菜はあくまで「うまい」野菜だけ。うまくない有機農法の野菜は栽培に関してかけた努力は買いたいが、それ以上のなにものでもない、と思う。では有機農法で作られた野菜のなにがいい(うまい!、と感じる)のか。
①味が濃い
味が濃い!味が濃いため肉や癖の強い素材にも負けないので料理の主役にも、最高のわき役にもなれる
②味が複雑
味が複雑。苦味の中にもほのかな甘みがあったり、というように味が複雑である。
③強い
もちろん野菜の種類や保存方法にもよるが野菜の体、というか健康状態がいいので慣行農法の野菜よりも つよい、と感じる
結論
有機で作られたものは体にいい、という認識間違ってないと思う。ただなんで体にいいかというと植物が有機で育てられると植物自身が健康に育っている可能性が高いからだと思う。今回は発酵にからむ土づくりは割愛するのでその点には触れないが、有機の環境で育てられると体のしっかりした野菜である可能性が高い。もう少し具体的にいうと生長に必要な微量要素が不足なく摂取できている可能性が高い。あと農薬を使わない分強い野菜しか残らない。言い換えると本当に弱い野菜は出荷する前に淘汰される(農薬を使わないので害虫に食べつくされてしまう)。ある種農薬は延命装置という意味である。ただこれはあくまで理想論なのでボク自身は必要最小限の農薬は必要悪だと思っている。もちろん他にも理由はあるがこの2点がボクは有機農法の本質ではないかと考えている。